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東京都市大学とエコ食品健究会、三井化学が3種類の農法で生産された野菜と包装材の水使用量・消費量を算出
無農薬、無肥料の「自然栽培農法」が最節水/高性能の鮮度保持フィルム「スパッシュ」の利用者の約70%が鮮度保持効果(節水)を確認
東京都市大学(旧:武蔵工業大学 学長:中村英夫)環境情報学部 伊坪徳宏准教授研究室では、このたび、一般社団法人エコ食品健究会(代表理事:久保正英)、三井化学株式会社(社長:田中稔一)と協力し、3種類の農法で栽培された野菜の生産から加工までに使用・消費される水の量(ウォーターフットプリント)を算出しました。その結果、「自然栽培農法」が最も水の使用量が少ないことが明らかになりました。2012年12月13日から開催される「エコプロダクツ2012」(主催:社団法人産業環境管理協会、株式会社日本経済新聞社)で、調査内容の詳細を展示いたします。
算出には、産業関連表を基に、伊坪准教授が日本で初めて開発した「水消費原単位データベース」を使用して実施しました。生産過程では、1kgの農作物(トマト、ナス)の生産にかかった水の消費量(リットル)を、3つの農法別(肥料や農薬、除草剤を使用しない(1)「自然栽培野菜」、有機肥料、一部農薬、除草剤を使用した(2)「有機栽培野菜」従来の化学肥料、農薬、除草剤を使用した(3)「慣行栽培野菜」)にそれぞれ算出し、比較しました。水分をより多く含むトマトの算出結果では、(1)「自然栽培野菜」が(2)「有機栽培野菜」と比較し約29%、(3)「慣行栽培野菜」と比較し約43%と、水の消費量が最も少ないことが分かりました。
加工過程では、三井化学東セロ株式会社が製造した鮮度保持フィルム「スパッシュ」の利用者約2700名にアンケートを実施し、3つの農法で栽培された野菜に対して、「スパッシュ」がどの位鮮度保持効果があったかを調査しました。結果、慣行栽培農法並びに有機栽培農法において約70%の利用者が従来品よりも「スパッシュ」の鮮度保持効果が高いと回答しました。これより野菜の廃棄物低減に寄与することが推定されるので、その分の野菜の栽培にかかる水の削減に繋がることが予想されました。
ウォーターフットプリントとは、原材料調達から生産、廃棄、リサイクルまでの商品一生分の水使用量を算出し、水資源への負荷を定量化する手法で、この計算に水消費原単位が使われています。水資源の乏しい欧州諸国などでは既にその原単位データベース化が進んでおり、日本でも、一昨年伊坪准教授による国内初のデータベースが誕生し、企業間で水利用の研究会が発足するなど、水資源保全に配慮した水利用のあり方について意識が徐々に高まりつつあります。
国際標準化機構(ISO)でも、ウォーターフットプリントの規格化を進めており、国内外の企業・生産者に対し、環境配慮がますます求められている中、特に水の使用量が多い農作物に関して調査を実施いたしました。
自然栽培農法とは
固定種、在来種の野菜を、無農薬、無肥料、無除草の状態の土壌で生産する農法。野菜の生育に必要な窒素を固定化するために大豆などを使い、栽培する。土壌を汚染しない、環境にやさしい農法として、近年注目が集まっている。
【関連するリンク先】
〜本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします〜
東京都市大学 環境情報学部 伊坪徳宏准教授研究室 ��045-910-0104(代表)
一般社団 法人エコ食品健究会 代表理事:久保正英 ��090-5052-7294
三井化学株式会社 生産・技術本部 安全・環境部 化学品安全センター 深谷将世 ��0475-25-4757